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光造形3Dプリンターで、細かい造形が上手くいかない原因とは?【モールド・ディティールが崩れる理由】

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3Dプリンターで細かい部分の造形が、上手くいかない!

細かい造形が上手くいかない原因は、色々とあるぞ。

 

飛行機や車などのモデルを3Dプリンターで作る人にとって、細かなディーティールはしっかり造形したいですよね?

 

今回は、ラインや小さな部品などの造形が上手くいかない原因をまとめました。

 

あなたの印刷が上手くいかない原因は、これらの内の1つかもしれないし複数の原因が絡んでいる場合もあります。

 

何度も検証を繰り返して、原因を1つずつ潰していきましょう。

 

以下が、原因と思われる内容です。

 

 

1. 露光時間が長すぎる 

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最初に確認するポイントは、個人的に『露光時間』の設定だと思っています。

 

露光時間とは、3Dプリンター材料(レジンなど)を固めるための光を照射する時間のことです。

 

露光時間が長いほど、造形物は固くなります。

 

ただ、逆に造形物が太りやすくなるというデメリットもあります。

 

デフォルトの露光時間だと細かい造形が崩れてしまう可能性が高いです。

 

露光時間は、スライサーソフトで設定可能です。

 

※ただし露光時間が短すぎると今度はしっかり固まらないことも起こるので、その点は注意してください。

 

まずは露光時間を1秒くらい短くして、様子を見てみよう。

 

 

2. プリンターの印刷する部屋が寒すぎる

 

次によく見落としがちな点としては、プリンターを使う部屋の温度が寒すぎる点です。

 

3Dプリンターを使う環境は、ある程度温かい場所が最適です。

 

冬場に印刷をする場合は、部屋の温度を高くしましょう。

 

 

3. 造形物の自重によって歪んでしまう

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造形物が重すぎると、重力に引っ張られて細かいディティールが歪むことがあります。

 

その場合は造形物の底面にある、サポートを増やすか太くしてみましょう。

 

またはディティールが歪む箇所に、細めのサポートを付けると改善することがあります。

 

その他にも、造形物を少し傾けて印刷してみても出力結果が変わってくる場合があります。

 

 

4. 印刷する積層が厚すぎる

 

3Dプリンターは、薄い層を何層も重ねて立体的な物体を作り出します。

 

1枚1枚の層が厚すぎると、細かい造形ができないことがあります。

 

そこで、この層(積層)の厚さを薄くすることによって、改善する可能性があります。

(加えて、造形物の積層痕が目立ちづらくなります。) 

 

積層の厚さの設定は、スライサーソフトで調整できます。

 

ただし積層を薄くすると何層にも分けて印刷する手間が増えるから、印刷時間が大幅に増えてしまうというデメリットもあるみたい。

 

 

5. サポートが足りない

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サポートは造形物を支えるためだけでなく、細かな造形を正確に行うためにも必要です。

 

特に『下に何もない』造形物を印刷する際は、失敗する可能性が高いです。

 

例えば飛行機の翼や車のドアミラーなどの横から飛び出ているデザインは、下にサポートを付けないと正常に出力されません。

 

同様に細かいモールドやディティールに関しても、モールドラインなどの出っ張った部分にはサポートを付けたほうが、正確に造形されやすいです。

 

サポートを付けるとサポート痕が残るから、極力細めのサポートを付けてみよう。

 

 

6. 使用しているレジンの特性

 

造形物の材料によっても、ディティールの精度は影響を受けます。

 

 レジンを例に挙げると、『水洗いレジン』と『IPA洗浄用のレジン(純正レジン)』では出来上がりの質が異なります。

 

水洗いレジンはIPA洗浄用のレジンに比べて、造形物のエッジが丸まってしまう傾向があります。

(悪く言うと、全体的に太って造形されてしまう。)

 

このようなデメリットはありますが、水洗いレジンは扱いやすいので初心者にはオススメです。

 

しかし、どうしても細かな造形物を作りたい人は、IPA洗浄用のレジンを使ってみるのもいいと思います。

 

IPA洗浄用のレジンを取り扱う際は、注意して使おう。

 

 

7. 3Dデータの不具合・破損など

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そもそも、『3DCADで作成したデータそのものが壊れている』 と言う可能性も捨てきれません。

 

その場合はいくら印刷設定を変えようが、レジンを変えようが失敗します。

 

それを確かめるためにも、造形物のサイズを大きくして1度印刷してみるのがいいと思います。

 

造形物を大きくしてもディティールが崩れてしまう場合は、元のデータに何かしらの不具合があるかもしれないです。

 

また、レジンや3Dプリンターの特性でどうしてもディティールがぼやけてしまう場合は、3Dデータ側を修正してみるのもアリだと思います。

 

モールドを深く掘って、ラインを際立たせるなどの工夫をしてみましょう。

 

 

8. 3Dプリンターのスペック不足

 

最後は、3Dプリンターのスペックが足りていないという可能性です。

 

この場合は別のプリンターを購入しなくてはいけないので、個人的には最終手段だと思っています。

 

またプリンターを買い直すのは大変だし、3Dプリンターの機種は慎重に選ぼう。

 

『どんな光造形3Dプリンターを選べばいいのか、わからない』と思った人は、よければこちらの記事を参考にしてみて下さい。

 

 

最後に 

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これまで説明したように、3Dプリンターの造形不良は複数の要因があります。

 

よって何が原因かを特定するには、何度も条件を変えて検証してみる必要があります。

 

ただ1回印刷するにもレジンは消費しますし、印刷時間だってかかってしまいます。

 

だから、何度も失敗するうちにメンタルがやられてくると思います。

 

ですが、失敗してお金も時間も大量に失ったとしても、あきらめないで欲しいと思っています。

 

理由は、『失敗の数だけ、気付きがある』からです。

 

失敗を本当の意味で無駄にしないためにも、『失敗した原因について仮説を立てて検証することが大切』だと最後にお伝えして終わりたいと思います。

 

とはいえ失敗したレジンの残骸を見ると、かなりへこむけどな。(笑)

 

おわり。

 

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